テューバ(チューバ)、またはバスと呼ばれるこの楽器は 金管楽器の中でもっとも低い音を鳴らすことができ、またもっとも大きな形をしています。

昔にはジョージ・クライジンガーの音楽物語 「テューバのタビーちゃん (いつもド・ソ・ド・ソの伴奏しかしていなかったタビーちゃんが ピッコロのピーポーちゃんに励まされ旋律を吹くことに目覚めるお話)」に 出てくるように旋律を吹くことなど考えもされなかった楽器ではありますが、 最近では優れたソロイストの出現により少しづつ変わってきているようです。
以前に公開レッスンを聴講したパトリック・シェリダンなどは テューバとは思えない凄まじい音形を軽々と吹いてしまいます(彼のアルバム「Lolipops」にはヴァイオリンの曲が多く収録されています)。

そんな、低音金管楽器が作られたのはちょうどユーフォと同じ頃です。なぜならヴァルヴ発明まで自然倍音のみしか演奏できなかった金管楽器で低音をならそうとしたらどれだけ長い管が必要になるか・・・(現在のテューバの管長が約6メートル弱なので、 音階演奏に最低必要な2オクターヴ下の基音を持つためには4倍の管長が必要になるので約24メートル・・・)。 そんなこんなで、ヴァルヴが出現するまでもっぱらセルパンオフィクレイドなどの楽器によってそのパートは演奏されていました。
もっとも古いテューバは1830年直前に現れたと考えられていますが、 日付の残っているものでは、1839年のウールマンの楽器が最古のものになるようです。 形はオフィクレイドのような形でヴァルヴはマウスパイプに垂直につけられていましたが、いくつかの別の例では楽器を横切る形で取り付けられていたものもありました。 これらはヴァルヴ・ボンバルドンとも呼ばれ多くはオフィクレイドに似せて作られ、 その枠から出るものではありませんでした。 しかし、1835年あるいはそれより少し前にモリッツとヴィープレヒトはバス・テューバを作り出しました。 これは15.5mmのヴァルヴ・ボアを持ち、フレアーのない大型ベルと、5本のベルリン型ピストンを持っていました。 5本のヴァルヴは「最初の2本のヴァルヴはへ調テューバのため(全音と半音)、次の2本はハ調テューバ(全音と半音)、 楽器は第5ヴァルヴによりへ調からハ調に変えることができた」とされています。ちなみに最初の2本を左手で操作し残りを右手で操作していました。 ヴァーグナーの「ファウスト」序曲のはじめの部分はこの楽器を念頭に置いてかかれたと考えられます。 後のモデルではヴァルヴの配置は、どこでも標準的な運指に会うように換えられました。
そして、アドルフ・サックスが登場します。
彼はサクソルン類の中に9フィートのピッチで口径の大きなBbバスを作りました。 また、彼オリジナルの改造としてピストンをより精密かつ丈夫なものにしました。 そして1851年にはBBbのコントラバスも作りました。 そして、実験的な楽器としてFFのサクソルン・ブルドンを作りました。これは小柄な人でも大きな楽器が演奏可能であることを示そうとしたものでした。 このような極端な例としては1893年アメリカのギルモア・バンドが使っていたBBBbのバスで高さ208cm、ヴァルヴ・ボア25mmとされています。

現在でもテューバ、バスと呼び名は一定ではありませんが、上記のようにサックスが考案したサクソルン類の系統を継ぐ アップライト型のピストンの楽器をバス、それ以外のロータリーの楽器をテューバと読んで区別しているようです。
テューバにはさまざまな調性のものがあり、 おもにBb、C、F、Ebの4つに分けられます。 一番低いものがBbで、楽器もその分大きいです。 Ebは小さく、オーケストラなどに不向きと考えられていますが、イギリスではオーケストラ楽器として使用されています。
テューバという名称自体はトランペットの祖先に当たる楽器Tubaから来ているようです。
金管バンドで使われているのはサクソルン類の末裔達であるので、 基本的にアップライトのバスですが、最近はその総本山(イギリスのメジャーな金管メーカーのブランド)であるベッソンが、フロント・アクションのバスも作るようになりました。 ピストンを使用していることには変わりありません。

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