ヘンリー・ディスティン社の1849年頃の広告によると,チューバ(アップライトのサクソルン)は11モデル掲載されている.
Ebテナー・チューバ,F(E)テナー・チューバ,Bbバリトン・チューバ,4本ピストンのBbバリトン・チューバ,
4本ピストンのCバス・チューバ,Ebコントラバス・チューバ,Ebユーフォニアム,新テナー・チューバ(ピッチ不明),
Bbアルト・チューバ,4本ピストンのBbアルト・チューバ,Ebソプラノ・チューバである.
整理すると下のようになる.
| ピッチ |
名称 |
ピストンの本数 |
| Eb |
Soprano |
3 |
| Bb |
Alto |
3,4 |
| Eb,E,F |
Tenor |
3,4 |
| Bb |
Baritone |
3,4 |
| C |
Bass |
3 |
| Eb |
Contra Bass |
4 |
| Eb |
Euphonium |
4 |
この広告の例を信じるならばユーフォニアムは当初Eb管であったことになる.
参考にする文献によって様々な食い違いがでるが,結局のところ下のようになると思われる.
- 1843年に開発が始まった当初サクソルンはバリトンまでベル・フロントの形で作られた.
- そして,1,2年後には,すべてアップライト型でも作られた.
- 1847年までにすべて(?)のサイズに第4ヴァルヴがつけられた(おそらく1847年までに開発されていたモデルということであると思われる).
- 当初,サクソルンはEbソプラノ(コルネットとは少し違う),Bbコントラアルト(コルネットとは少し違う),Ebアルト(テナー),Bb バリトン(アルトと同一視されることもある),Bbバス(小バス,ユーフォニアムに相当),Ebコントラバス(中バス,EEb Bassに相当)の6種であった.
- 1851年にBbコントラバス(大バス,BBb Bassに相当)が追加された.
- 1851年にBbソプラニーノ(ピッコロ)あるいは小サクソルンの開発が始まりこれが後に追加された.
- 1855年に追加されたFFサクソルン・ブルドンという実験的楽器がある.
おそらく同種のものと思われるEb管のものがパリのthe Musee des Arts et Metiersに保存されています.
- 当初からあったサクソルンのコピー商品に「ネオ・アルト」「ボンバルドン」があり1856年に訴訟事件を起こしている.
- Bb管の楽器はC管で,Eb管の楽器はF管でも作られたようである.
- フリューゲル・ホルンはサックスが改良した楽器であるが,厳密にはサクソルンではないと考えられる.
- ベルリン・ピストンをより精密にしたピストンを採用した.
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