フロントアクションユーフォニアムの中で今のウィルソンの元になっているとされているのがMARZANです.
Fred Marzanはシンシナティ出身のテューバ奏者で自分の名前を付けたテューバとユーフォを使用していたようです.
MarzanモデルはベルにMarzanの刻印がありました.
またMarzanはヴァルヴの配置をフロントアクション・ピストンにおいて
合理的にしたことで知られているようです.
その配置を適応した楽器がMarzanモデルということになるようです.
Marzanモデルは現在のWillson 2975とは異なり全ての管が上向きについていたようです.そのため,上側に重心が偏りバランスの悪い楽器となってしまったそうです.
コンペの上にトリガーまで装備しています.
コンペの構造はよくわかりませんが手前に見えているのがおそらく補正管で,現在のものと同様のシステムと思われます..
このMarzanモデルが現在のウィルソン・フロントアクション・コンペのオリジナルと言えるようです.
MarzanモデルのユーフォはWilli Kurathという人が製造していたようですが,ごく短い期間marzan自身の手によっても作られていたようです.その後,Willi Kurathの手によってマルッツァンデザインのユーフォとして制作されたようです(おそらくこれよりあとのものにはWillsonとMarzan両方の刻印が入っている).
これがなぜWillsonのモデルになるかとなると,Willy Kurath Sr.の息子Willi, Jr.(ユーフォニアム奏者)によってできたブランドがWillson(Willyの息子でWillson)であるからです. Kurathのブランド名でも同じ楽器が出ていたようです.
楽器の性能自体は悪くなかったようですがこの楽器が製造販売された1960年代はコーンのコンストレーションが全盛の時代でこの楽器が受け入れられることはありませんでした.使用していたのはアメリカ海軍バンドでブラッシュの後を継いだアール・ラウダー(Earl Louder)でした(現在はヒルスブルナーを使用しています). その後,カナディアンブラスのユージン・ワッツが目をつけ,現在ではコンペのウィルソン製のユーフォを使用しているようです.(写真ではいつも通常のものなのですが・・・)
日本で見ることのできるWillson製の物は3737という型番で,アメリカなどでは2975という型番が付いています. また,HIDEっちさんによると,MarzanのものはWillson 3719というものにそっくりなようです.HIDEっちさんのページのここに写真があります. また,検索してみると3718,3719,3737という型番がこちらのサイトで見つかりました.それぞれピストンが3,4,4(コンペ)らしいので.どうも現役で売っている国(ホームページのお店はオランダでした)もあるようです.
下の写真の楽器のベル径は11インチ,マウスピース・レシーバーは中細です.
これはコンペではありませんが,マルッツァンの刻印があります.
左手でチューニングを操作するようにできています(後付けのような気もしますがどうも,標準仕様のようです.三浦徹さんもこれと同一仕様の楽器を持っていたようです.).
現在のウィルソンと支柱の形が同じなのがわかります.


カタログがオークションに出て写真がありましたので載せておきます.