単に平均律と行った場合には12平均律を指していますが、現在のような12平均律になるまでには様々な平均律が存在していました。
他には6,7,9,10,17,19,22,・・・・・・・・・360平均律まで。非常にたくさんの平均律が存在していました。これは、純正律ピュタゴラス音律で 無限に存在する各種の音程を循環するある有限数の音程で表そうとする試みでした。その基本にあるのはオクターブを整数等分し、その一つを単位音程として成立した等分平均律です。 これらの中で理論的に優れていたのは53平均律のようですが、実際楽器を作る上からも演奏面からも優れていたのは12平均律でした。

実際にボーザンゲットが1876年に53平均律を用いてオクターブに53の鍵盤を持つ楽器を発表しましたが音程は優れていたものの演奏が困難なために、単に理論的な楽器となってしまいました。

12平均律は上にも書いてあるようにオクターブを12等分したもので、隣り合う音の周波数の比が2の12乗根(1.0594631)になるように音程をとったものです。
文献によれば5度定律法によって純正5度音程を12回連続したとき生ずるピュタゴラス・コンマ(23.460セント)を解消するために、連続される5度をそれぞれ1/12コンマ(1.955セント)づつ狭くし、 12回目の5度が最初の音に対してちょうど純正8度となるように整えられた音律である、とされています。こうすることにより、オクターブは12等分され、上に書いたような周波数比を持つことになります。
これが異名同音(エンハーモニック)といわれる音の間の音程差をなくし和声法上では不協和音として扱われる音程が実際には協和音程で演奏される矛盾を生じることとなりました。


平均律への試みは16世紀に入ってからいろいろと行われるようになりました。

2の12乗根を用いて12平均律を算出したと考えられる最初の人物はステフィーン(Simon Stevin)です。彼が1600年頃に著した「歌唱術の鏡 Van de spiegeling der singconst」に示されているモノコルドの12平均律の誤差は 0.4セント以内だそうです。

1691年に、ザクセンのオルガン奏者ヴェルクマイスターが「音楽上の調律」という彼の論文で平均律の使用を提唱しました。また、バッハ以前にもフィッシャーが平均律のための作品「音楽のアリアドネ」を書いており、リオートヴィオールなどの楽器ではすでに平均律が使用されていました。
しかし、少なくともオルガンでは19世紀に入っても以前のままの中音律が採用されていました。

十二平均律における各音の周波数(A=440Hz)
C C# D D# E F F # G G# A A# H C
261.626 277.183 293.665 311.127 329.628 349.228 369.994 391.995 415.305 440.000 466.164 493.883 523.251

参考)純正率

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